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京都家庭裁判所園部支部 昭和44年(家)11号 審判 1969年3月31日

申立人 玉置茂(仮名) 外一名

主文

本件申立を却下する。

理由

申立人らは、その氏玉置を吉川に変更することの許可を求めるが、その理由は、申立人玉置茂は昭和三五年一月一二日、吉川愛子と婚姻し、吉川の氏を称していたが、昭和四一年八月二三日、同女と協議離婚(同四三年一〇月九日届出)し、婚姻前の玉置に復氏したが、同女の母しずと吉川家をたてるとの約束で愛子と婚姻していたため、離婚後も婚姻当時の肩書住居地に居住し、吉川姓を称し、官公署はもとより、世間一般人も申立人らを吉川と呼んでいる。なお、申立人薫は茂の妻である(昭和四三年一〇月九日婚姻届出)。

以上の次第であるから、申立人らの氏が戸籍上玉置であることは日常生活において不便であるというにある。

本件記録によると、申立人らが、吉川家の親類縁者の承諾を得て、同家の祖先祭祀家名相続のため、吉川姓のもとに日常社会生活をしていることなど申立の実情たる事実は認められるも、上記事実は改氏の法定要件たる「やむを得ない事由」には該らない。

よつて、主文のとおり審判する。

(家事審判官 蒲原範明)

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